コンデンサの技術用語集
コンデンサの技術用語集「さ」
サージ電圧surge voltage
回路に対し、定常・定格状態を瞬間的に上回って発生する過電圧。
サージ電圧比surge voltage ratio
カテゴリ温度範囲の任意温度でコンデンサの端子間に、規定する時間印加できる最高瞬間電圧を定格電圧又は温度軽減電圧のうちの適切な電圧で除した値。
最高温度maximum temperature of a capacitor
コンデンサ外部表面の最も熱い箇所の温度。 注記 端子は外部表面の一部になる。
最高保存温度maximum storage temperature
コンデンサが無負荷状態で損傷しないで耐える最高周囲温度。
最低温度minimum temperature of a capacitor
コンデンサ外部表面の最も冷たい箇所の温度。 注記 端子は外部表面の一部になる。
最低保存温度minimum storage temperature
コンデンサが無負荷状態で損傷しないで耐える最低周囲温度。
サブファミリsubfamily
電子部品において、ファミリの中で類似の技術的方法で製造する部品群
酸化皮膜oxidized layer
電解コンデンサで、誘電体となるプラス極の金属にできる酸化皮膜。
シェリング・ブリッジSchering bridge
静電容量測定のためのブリッジ
交流形式のホイートストーン・ブリッジで、キャパシタンスの比較や、標準コンデンサとの比較によるコンデンサの位相角の測定に使用される。
自己回復self-healing
誘電体の局部的な絶縁破壊後、コンデンサの電気的特性が、瞬時的かつ本質的に破壊前の値に戻る過程。
時定数time constant
絶縁抵抗値と静電容量値との積。
重合polymarize
2つ以上の同じ種類のモノマまたはポリマを化学的に結合して、より高い分子量の分子を形成すること。
充填材filler
プラスチックに添加される物質で、多くの場合不活性である。
周波数frequency
単位時間当たりの完全なサイクルまたは振動の数。
樹脂resin
天然または合成由来の有機物質で、高分子構造を持ち、主に非晶質であることを特徴とする。すべてではないが、ほとんどの樹脂は分子量が高く、長鎖または網目状の分子構造をしている。通常、樹脂は低分子量の方が溶けやすい。
シリコーンsilicone
ケイ素と酸素からなるシロキサン結合(≡Si-O-Si≡)を骨格とし、そのケイ素(Si)にメチル基(-CH3)を主体とする有機基が結合したポリマの総称。オイル、エマルジョン、レジン、ワニス、ゴムおよびパウダーなどと極めて多様で、用途も多岐にわたり、いろいろな分野で利用されている。
スーパーキャパシタsupercapacitors
電気二重層という物理的な現象を利用することで蓄電するコンデンサ。誘電体はなく、EDLCとも呼ばれる。
スナバ回路snubber circuit
電気回路でスイッチの遮断時に生じる過渡的な高電圧を吸収する保護回路。回路の電流を突然遮断すると自己インダクタンスによって電圧が急上昇するが、スナバ回路がこのスパイク状の高電圧を抑制することで、スイッチ自身や周囲の電子部品の損傷を防ぎ電磁ノイズを最小化する。 スナバ回路は機械的なスイッチだけでなく、スイッチング・トランジスタや高周波整流用ダイオードからの高電圧抑制でも使用される。コンデンサ(キャパシタ)と抵抗を直列に接続したものをスイッチに平行して取り付けるものが多く、これは「RCスナバ回路」と呼ばれる。同様な機能の実現に、ツェナーダイオードを使って過剰な電圧をショートすることで一定の電圧を維持するものがある。
スナバコンデンサsnubber capacitor
スナバ回路で発生する高電圧スパイクノイズを吸収し、スイッチング素子を保護するコンデンサ。
スパークsparkover
電位差があり空間を隔てている2つの物体の間に一瞬生じる電気の流れのこと。広い意味で雷や放電現象もこれに含まれる。
静電容量capacitance
電荷を蓄える能力。どのくらい電荷を蓄えられるかという能力を表す量。単位はファラド(F)。
静電容量許容差capacitance tolerance
基準となる静電容量に対して許される限界値との差。
静電容量の温度係数temperature coefficient of capacitanc
規定温度範囲内の測定温度による静電容量変化率。 注記1 この用語は,静電容量の変化が、直線又は直線に近く、温度の関数として正確及び精密に表すことができるコンデンサに適用する。 注記2 通常、ケルビン当たりの百万分率(10−6/K)で表す。
静電容量の温度特性temperature characteristics of capacitance
カテゴリ温度範囲(2.2.4)内の規定する温度範囲での静電容量値の最大変化。 注記1 この用語は、主に静電容量の変化が、直線又は非直線にかかわらず温度の関数として正確及び精密に表すことができないコンデンサに適用する。 注記2 通常は、基準温度23 ℃の静電容量に対する静電容量値の変化を百分率(%)で表す。
積層セラミックコンデンサMLCC (Monolithic Ceramic Chip Capacitor)
誘電体と電極を多数積み重ねた構造を持つ小型コンデンサ。
絶縁insulation
電子回路やその部品などにおいて、対象とする2箇所の間で電気抵抗が大きく電圧を掛けても電流が流れない状態を言う。
絶縁形コンデンサinsulated capacitor
全ての端子と外装との間に規定する電圧(定格電圧以上)が印加できるコンデンサ。
絶縁耐力dielectric strength
絶縁破壊を起こすことなく印加できる最大の電場(電圧を電極間距離で割ったもの)
絶縁抵抗insulation resistance
コンデンサの端子に印加される直流電圧と、初期充電電流が停止した後に誘電体を通ってその表面を流れる結果として生じる漏れ電流の比を、メガオームまたは時定数メガオーム×マイクロファラッドで表す。
絶縁破壊breakdown
低い電圧を掛けた場合に電流が流れなくとも、高い電圧を掛けると電流が流れる場合があり、その状態を絶縁破壊という。
絶縁破壊electric breakdown
絶縁体に加わる電圧を上昇させた時、ある電圧で急激に電流が流れる現象。
絶縁物insulator
電気を通さない物質、または通しにくい性質を持った物質。
絶対湿度volumetric humidity
大気中に含まれる水蒸気の密度(容積あたりの質量)である。単位はグラム毎立方メートル(g/m3)が用いられている。容積絶対湿度とも呼ばれる。
セラミックコンデンサceramic capacitor
誘電体にセラミックを用いたコンデンサ。
セルフヒーリングSelf-healing
→ 自己回復を参照
繊維fiber
セルロース、ウール、シルク、ガラス糸などの糸または糸状の構造体。
層間剥離delamination
層が分離していることを意味し、たとえば積層体から樹脂が剥がれたり、樹脂から繊維が分離しているような状態。
相対湿度relative humidity
ある気温における飽和水蒸気圧に対する実際の空気の水蒸気分圧の比である。一般に百分率(パーセント、%)で表される。
塑性変形plastic deformation
変形を引き起こしている荷重を取り除いた後、元に戻らずに残っている変形のこと。
損失角loss angle
90°と誘電体位相角の差。
損失角の正接(タンデルタ)tangent of loss able
コンデンサ内部で消費されるエネルギを表す特性。誘電体や電極の抵抗成分により生じる、エネルギ損失の度合い。
損失係数dissipation factor
→ 損失角の正接を参照