コンデンサの技術用語集
コンデンサの技術用語集「あ」
アーク放電electric arc
二つの電極間にある気体に持続的に発生する絶縁破壊(放電)の一種であり、電極間の気体分子が電離しイオン化することでプラズマを発生し、その中を電流が流れる現象。放電経路が弧状(アーク)になることからアーク放電と呼ばれる。
RLC回路RLC circuit
抵抗器(R)、コイル(L)、コンデンサ(C)を接続した回路で、LCR 回路とも。アナログ式 AM や FM ラジオでは選局に使用。
RC回路RC circuit
抵抗器(R)、コンデンサ(C)を接続した回路。
アキシャルaxial
リード線の導出方法を表す用語。部品本体の両端から互いに反対方向に出ているもので、抵抗、ダイオードや一部のコンデンサに使われています。
圧力pressure
単位面積当たりの力。絶対圧はゼロ圧を基準として測定される。ゲージ圧は大気圧を基準として測定される。
アノード(陽極)anode
電解コンデンサの陽極。
アルミニウム電解コンデンサaluminum electrolytic capacitor
電解コンデンサの一種。アルミニウムを陽極酸化したときに表面にできる薄い皮膜を誘電体とする。電源の整流回路などに使用される。
アルミ箔alumium foil
アルミニウムを厚さ0.2mm~0.006mmまで圧延で薄く伸ばしたもの。JISで規定されている。アルミ箔は、単体で使用される場合と、フィルムや紙と貼り合わせされて使用される場合とがあり、用途は多岐にわたっている。
EMSEMS
Electromagnetic Susceptibilityの略。周囲の電子機器が発するノイズにより動作に影響が表れること。(電磁感受性)
EMIEMI
Electromagnetic Interferenceの略。電子機器が発する電磁波がノイズとして他の電子機器の動作に影響を及ぼすこと。(電磁妨害)
EMCEMC
Electromagnetic Compatibilityの略。電子機器が発するノイズが周囲に影響を与えず、周囲のノイズの影響も受けないこと。(電磁両立性)
E系列E series
コンデンサの静電容量値はJIS規格によりE系列で定められている。
※弊社カタログでは『E STANDARD NUMBER』と表記
E3系列:10,22,47を基数とする倍数値
E6系列:10,15,22,33,47,68を基数とする倍数値
E12系列:10,12,15,18,22,27,33,39,47,56,68,82を基数とする倍数値
イオンion
気体分子が電子を失ったとき(気体が臨界電圧を超える電気的ストレスを受けたとき)、あるいは流体中の中性原子または原子団が1つまたは複数の電子を失ったり得たりしたときに形成されるような、原子以下、原子、分子レベルの物質の電気的部分。
異物contaminant
材料の1つまたは複数の特性に影響を与える、材料中に存在する異物の不純物。
陰極cathode
コンデンサのマイナス電極
インピーダンスimpedance
オーム単位で測定される、交流電流または脈動電流に対する総抵抗。インピーダンスとは、コンデンサの抵抗成分と無効成分のベクトル和であり、数学的には次式で表される。特定の周波数における交流電流またはその他の変動電流の流れに対して、回路が与える総反抗力。抵抗RとリアクタンスXの組み合わせで、単位はオーム。
エージングaging
特定の条件下におけるコンデンサの特性の経時変化。
エス・エム・ティ(SMT)Surface Mount Technology
Surface Mount Technologyの略。電子部品をプリント基板に実装する方法の1つ。プリント基板表面にはんだを塗り部品をマウントし、リフロ炉を通してはんだを溶かす実装方法。
エス・エム・ディ(SMD)Surface Mount Devise
Surface Mount Deviceの略。SMT(表面実装)用の部品をSMDという。
エックスキャパシタ(Xコンデンサ)X capacitor
ノーマル・モードの電気的干渉を抑制するため、電源ラインを横切って接続されるよう設計された安全機関認定のコンデンサ。
エポキシ樹脂epoxy resins
分子中にエポキシ基とよぶ炭素2個と酸素1個の三員環からなる基をもつ構造の熱硬化性樹脂。薬品性が高いので塗料・電気絶縁材・接着剤として使用。
MPコンデンサmetalized paper capacitor
ペーパーコンデンサのひとつで、絶縁紙に金属の薄膜を蒸着させたもの。
沿面距離creepage (distance)
二つの導電体の間にある「絶縁体の表面に沿った最短距離」。
オイルコンデンサoil capacitor
ペーパーコンデンサのひとつで、絶縁油を含ませた紙を誘電体とする。
温度軽減temperature derating
温度が高くなると性能や寿命に悪影響があるため、負荷に余裕を持たせながら使用すること。
温度軽減電圧temperature derated voltage
定格温度とカテゴリ上限温度との間の任意の温度で、コンデンサに連続して印加してもよい最高電圧。
温度係数temperature coefficient
温度が1℃変化したときに物性や機器の性能が変化する割合。コンデンサの静電容量、素材の膨張係数、金属の比抵抗、マイクロホンの感度、電源の出力電圧または出力電流などさまざまなものに使われる。百分率あるいはP.P.M(百万分の1)の単位で表すことが多い。
温度上昇temperature rise
交流、パルス又は充放電の動作状態で、コンデンサの損失に起因する、周囲温度に対するコンデンサの温度の上昇。
温度特性temperature characteristics
コンデンサは周囲の温度によって静電容量が変化する。この静電容量の変化のことを温度特性という。
温度補償用class Ⅰ
主にCG、CH特性があり、酸化チタン系、ジルコン酸系の誘電体セラミックスを主原料とする。温度や電圧・時間による静電容量の変化が小さいため、安定性を求められる用途に適しているが、高誘電率系に比べ静電容量が小さい。