コンデンサの技術用語集
コンデンサの技術用語集「か」
可塑剤plasticizer
ある材料に柔軟性や弾性を与えるために添加される物質の総称である。一般的には、プラスチックやゴムといったポリマに対して使用される。可塑とは「柔らかく形を変えやすい」という意味の語である。
可塑性plasticity
固体に力を加えて変形させたとき、その力を除いても元に戻らない性質。
カップリングcoupling
2つの回路が接続され、交流電圧のみが通過する状態。
カップリング・コンデンサcoupling capacitor
コンデンサが直流成分を通さず、交流成分を通過させる性質を利用して、『直流成分+交流成分』から『交流成分』のみを取り出すために使用されるコンデンサ。
カテゴリ温度category temperature range
コンデンサが連続運転できる周囲温度の範囲。限界温度TmaxとTmin(それぞれカテゴリ上限温度と下限温度)は、気候カテゴリで定義される。
カテゴリ上限温度upper category temperature
設計上、コンデンサを連続的に使用できる最高周囲温度。
カテゴリ電圧category voltage
カテゴリ温度内の任意の使用温度において、コンデンサに連続的に印加できる最大電圧。
カテゴリ温度範囲category temperature range
設計上、コンデンサを連続的に使用できる周囲温度範囲。 注記 温度範囲は、カテゴリ下限温度とカテゴリ上限温度とによって規定している。
カテゴリ下限温度lower category temperature
設計上、コンデンサを連続的に使用できる最低周囲温度。
過電圧overvoltage
デバイス回路の通常動作電圧を上回る電圧。
可変コンデンサvariable capacitor
静電容量を頻繁に変えることのできるコンデンサ。
環境温度ambient temperature
環境の温度。通常はコンデンサを取り囲む静止した空気。
含浸impregnation
材料の空隙や間隙をコンパウンドで充填すること。(穴のない膜による完全な充填や表面の完全な被覆を意味するものではない)
逆電圧reverse voltage
極性とは逆方向にコンデンサの端子に印加する電圧。 逆電圧は、有極性コンデンサだけに適用している。 C 5101-1:2019 (IEC 60384-1:2019)
キャパシタ・コンデンサcapacitor
外部から電圧を印加すると、電荷を静電気として蓄える電子部品。
吸湿性のhygroscopic
湿気や水分を吸収する能力をもっていること。
吸水water absorption
乾燥した材料の重量に対する、材料が吸収した水の重量の比率。
極性polarity
電流の流れる方向を決定する電気的条件。2つの反対の電荷を持つ性質。アルミニウム電解コンデンサなど一部のコンデンサには極性があり、電流が流れる方向を制限している。その他の特殊な電解コンデンサ(モータスタート用、フィルムコンデンサ、セラミックコンデンサなど)は無極性である。
許容差tolerance
20℃ での定格静電容量からの許容静電容量の偏差。特定の条件下における公称静電容量値からの最大偏差を、公称静電容量に対する百分率で表したもの。
クーロンcoulomb
国際単位系の電荷の単位。1秒間に1アンペアの定電流が運ぶ電荷である。
形状style
一般に幾つかの異なる構造的な分類を含んでもよい寸法的な要素に基づく品種の細分類。
高温高湿バイアステストTHB
温度85℃、湿度85%の環境下で長寿命ストレス試験。1000時間から2000時間(一般的)後、部品に腐食やその他の潜在的な故障の兆候がないか検査される。
硬化剤hardener
プラスチック組成物または接着剤に添加され、硬化反応に関与することによって硬化反応を促進または制御する物質または混合物。
公称静電容量nominal capacitance
通常、そのコンデンサについて示すときに指定する静電容量値。
降伏点強度yield strength
材料が塑性変形を起こす最低応力。この応力以下では材料は弾性であり、それ以上では粘性である。
高分子polymer
原子が共有結合でつながった大きな分子。通常の分子は原子が数個から数十個集まってできたものだが、高分子は数千以上の原子が繋がってる巨大な分子。「ポリマ」とも呼ばれており、小さな分子にはない様々な特徴がある。
高誘電率系class Ⅱ
主にX5R、X7R、X7S特性があり、チタン酸バリウム系の誘電体セラミックスを主原料とする。温度補償用に比べ、温度や電圧・時間による静電容量の変化が大きくなるが、小型で高容量を得ることができる。
交流コンデンサa.c. capacitor
本質的に交流電圧の用途に設計したコンデンサ。
交流電流alternating current
一方向にゼロから最大まで上昇し、ゼロまで下降した後、逆方向に最大まで上昇し、さらに別のサイクルを繰り返す電流。
固体電解コンデンサsolid electrolytic capacitor
電解コンデンサのうち、電解液の代わりに電荷移動錯体、または導電性高分子を用いたもの。
固定コンデンサfixed capacitor
静電容量が固定されたコンデンサ。
コロナcorona
電極箔や蒸着電極のエッジに隣接する絶縁フィルム、または電極箔や蒸着電極とフィルムの間に空気が閉じ込められた部分に発生する局所的で強い放電のことである。
コロナ放電corona discharge
放電は、フィルムまたは小さなエアポケット内の分子をイオン化するのに十分な大きさの電圧勾配によって引き起こされる。各放電はフィルムに小さいが累積的なダメージを与える。この結果、無地のフィルム/箔部品では短絡が発生する。しかし、蒸着電極形フィルムコンデンサは自己回復するが、さらなる放電は容量の損失を進行させる。
コンデンサ・キャパシタcapacitor
電極および誘電体に電荷を蓄積する受動部品。